グラスで冷えた手のひらに
色の雫だけが残っている
鉛筆で擦った言葉だけが
折りたたんだ付箋に光っていた
音が消えた日の声が
硝子の鍵盤に映り込んで
坂道の影が
街灯の温もりに揺れている
幸せを描くふりをしながら
机の上に答えを置いていた
頬に残る哀しみが
月明かりに白く滲んで
画面を見つめる横顔の奥で
静かな風が吹いている
シールで閉じた願いを
薔薇の呪文で唱えて
文字が揺れる部屋の隅で
落ち葉の欠片を拾い集める
ソファが沈む夜に
秒針が空間を刻んで
他人が見上げる空が
余白に水滴を落とす
片道切符のホームで
流れる灯りを見送っていた
繰り返した音楽が
胸の鎖に溶け込んで
零れ落ちた言葉が
乾いた心に触れていく
孤独になれない弱さを
夜に触れる風が剥がして
重さの無いリングが
本音の海へ沈んでいく
ポストに送った幸せを
遠い街で思い出す
木漏れ日の願いは
今日も森の中で光っている

























































































