要約
米国高配当株ETF3兄弟(VYM・HDV・SPYD)の特徴や違いなんてもちろん知っていますね?きちんと区別して投資していますよね? ・・・💦 実はよくわかっていないかも😅というそこのあなたへ!こっそり復習しちゃいましょう👌初心者にも分かりやすくまとめますのでご利用ください!
「知らないものには投資しない」
今日からあなたも ”知ってる人” に成長しましょう!
投資信託とETFの違い
まずはこちらも基本中の基本のおさらい。投資を始めている人でもこの違いを理解できていないことが非常に多いです。この機会にさらっと復習しておきましょう!
1️⃣投資信託の特徴
・上場していない
→価格は1日1回決まり、注文した翌日に確定(今の価格では買えない)
・自動積み立て設定できるため手間が少ない
・少額(100円から)で投資できる
・配当金(分配金)は自動再投資される(受け取り時の無駄な税金なし)
・長期のインデックス投資では分配金自動再投資による複利の恩恵が大きい
上場していないため即時売買はできません(イメージ:商品が店頭に並んでおらず予約注文のみ)。注文から取引成立までに価格が変動します。そのためドルコスト平均法などの定期積み立てに向いています。分配金は内部での自動再投資が可能なため無駄な税金を支払うことなく複利の恩恵を最大化できます。
一方、自動再投資型の投資信託では配当金(分配金)は受け取れません。高配当と名の付く投資信託であっても、「分配型」のファンドを選ばなければ高配当株投資にはならないので気をつけましょう。
2️⃣ETF(上場投資信託)の特徴
・上場している
→株と同じようにリアルタイムで売買できる
・信託報酬(手数料)が投資信託よりも若干安い
・一部のETFは積み立てもできるが、基本的にその都度売買する
・株と同様に1口の価格で購入するため数万円〜の資金が必要
・配当金(分配金)が受け取れる(受け取り時に税金は引かれる)
・再投資は税引後の分配金で行うため複利効果は弱まる
上場しているため現在の価格で即時売買が可能。高配当株投資などのタイミング投資に向いています。ただし、米国ETFの場合は米国市場が開いている時(平日の日本時間23:30~翌6:00(夏時間22:30~翌5:00))にしかリアルタイムの取引はできません。
自分で手間をかける分、経費率(手数料)は安く設定されがちです。分配金を受け取ることができますがその都度税金が引かれます。再投資する場合は税引後の分配金を使うため資金効率が悪くなります。
まとめると、
✅どちらも株の詰め合わせパックであるのは同じ
✅資産拡大には分配金自動再投資の投資信託が効率的
✅高配当株投資では分配金を受け取りたいのでETF
最近は高配当系のインデックス連動の投資信託も増えていますが、「分配金なし」の場合もあります。分配金を受け取れなければ高配当株投資にならないので注意(目論見書をよく読むこと!)
SBI証券では2024年1月末から、VYMとSPYDに投資できる年4回分配型の投資信託が発売されます。信託報酬がETFの倍近くかかることや、実際の分配成績が不透明なためすぐに飛びつくべきではありませんが、より少額(100円単位)で投資可能なため今後の動向には注目です。
米国高配当株ETF
VYM・HDV・SPYDの特徴
3種のETFはどれも優秀ですが、目的や投資方針によって選択肢や組み合わせは人それぞれです。特徴を把握した上で自分に合った選択ができるようにしましょう。
① VYM(バンガード・ハイディビデンド・イールドETF)
✅米国で平均以上の配当金を出す約400銘柄で構成
✅主なセクターは金融、ヘルスケア、小売、工業など
✅構成比上位銘柄は、ジョンソン&ジョンソン、エクソンモービル、JPモルガン・チェース、P&G、ホームデポなど(投資割合は時価総額加重平均)
✅比較的高配当かつ株価も高成長な大型銘柄が上位を占める
✅13年連続増配中(〜2023年)
✅経費率は0.06%
✅配当利回りは控えめなので株価下落時にまとめて購入したい
参考:https://www.bloomberg.co.jp/quote/VYM:US
400銘柄で構成されているため分散性はNo1です。株価の面でも右肩上がりの成長が見られるため、負けにくく安定感があります。
一方で、あくまで「平均以上の配当」のため高配当というには物足りない利回りです。平常時の配当利回りは3.0%程度にとどまります。
継続的な増配と右肩上がりの株価成長を見越して定期積み立てにするのもありですが、やや低めの利回りを考えれば暴落時に一気に仕込みたい銘柄でもあります。資金が潤沢にあるならリスクと手間を抑える積立投資、そうでなければ暴落時一括投資が向いています。
② HDV(iシェアーズ・コア高配当株ETF)
✅財務安定で平均以上の配当金を持続的に支払い可能な70〜80銘柄で構成✅主要セクターは、エネルギー、ヘルスケア、通信、生活必需品、情報技術✅比較的不況時にも強いディフェンシブなセクター中心の構成
(米国の株価が軟調だった2022年も3種のうちで唯一プラス運用)
✅構成比上位銘柄は、エクソンモービル、アッヴィ、ベライゾン、メルク、コカ・コーラなど(割合は時価総額加重平均)
✅経費率は0.08%
✅年に数回銘柄入れ替えが行われ業績不振企業はしっかり外してくれる
参考:https://www.bloomberg.co.jp/quote/HDV:US
好財務かつ高配当の銘柄に投資しており、ディフェンシブセクターの比率が高くなっています。不況時にも株価下落が抑えられるため守りの高配当株ETFに位置付けられます。配当利回りも平時で3.5〜4.0%くらいは狙えるため攻守万能です。
一方で、構成銘柄は70〜80程度とVYMに比べると分散性は低いです。ディフェンシブな側面が強いため大きな問題はありませんが、イケイケのハイテク銘柄が少ないため米国の高成長の恩恵は受けにくくなります。
安全性(倒産や減配リスクが低い)を重視するポートフォリオにおいて大活躍が見込めます。配当利回りは”そこそこ”のため、しっかり割安なタイミングを見計らって投資したいです。
③ SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)
✅S&P500指数採用銘柄のうち配当利回りが高い80銘柄に均等に投資
✅主要セクターは金融、不動産、公益事業
✅高配当利回りだが、不動産など景気敏感セクターに偏る
✅好況時の爆発力があるが、不況時にはたびたび減配している
✅S&P500指数採用銘柄とはいえ不安定な銘柄が多い
✅経費率は0.07%
参考:https://www.bloomberg.co.jp/quote/SPYD:US
3種の中で最も配当利回りが高い攻めの高配当株ETFです。金融や不動産など景気敏感セクターの比重が高く、平常時でも4.0〜5.0%近い利回りが狙えるのが魅力です。
一方で、株価の変動は激しく減配リスクも大きいです。VYMやHDVは「時価総額加重平均型」のため、優秀な大企業(50年以上連続増配や自社株買いでの株価維持能力が高い企業)への投資割合が大きいのに対し、SPYDは各銘柄の構成比率が均等ウェイトとなるよう調整されています。比重の大きいセクターが不振で減配・無配になると一気にETF全体の利回りが下がります。配当利回り上位80銘柄が選定基準のため、株価が下がっている銘柄が優先的に採用される傾向があり、ETFとしての株価回復にも時間がかかります。
よく「S&P500採用銘柄だから安全」だと勘違いされますが、S&P500の強さは一部の巨大ハイテク企業(GAFAM、エヌビディア、テスラなど)に依存しており、それ以外のS&P490は日本のTOPIXとも大差ない成績です。そしてその米国最強銘柄たちはSPYDには含まれません。
常に高い利回りを維持しているため投資しやすくもあります。一方で、株価の下落幅も大きく再浮上も読みにくいため、「下がったら買う」一辺倒ではリスクがあります。
ETF3種の簡易比較
簡易的にでもそれぞれの特徴を押さえておくと良いですね。三者三様特徴が異なるためどれが1番とは言えませんが、自分の目指すポートフォリオや投資方針、目標利回りに合う銘柄選択を心がけましょう。
・分散性の高さ(銘柄数)
VYM(400)> SPYD(80)≧ HDV(70〜80)
分散性ならVYM。SPYDとHDVに差はなし。
・配当利回りの高さ(税引後の平均的%)
SPYD(4.0%)> HDV(3.5%)> VYM(3.0%)
配当利回りは圧倒的にSPYD。ただしハイリスクでもあるので注意。VYMは利回りは低いものの増配力が高いのでじわじわ上がってくる。
・安定性(株価変動・増配傾向)
VYM > HDV > SPYD
分散性と合わせて株価と増配力ならVYM。不況に強いHDVはポートフォリオをディフェンシブに寄せることができる。
・手数料の安さ(経費率%)
VYM(0.06)> SPYD(0.07)> HDV(0.08)
手数料はいずれも格安なので考慮する必要なし。
米国高配当ETFの組み合わせと
投資タイミングの考え方
3種のETFはどれに投資するべきか?悩ましいですね。
🤔どれか一つを選ぶ?
🤔3つとも買う?
🤔比率はどうする?
多くの方が迷い、答えが出ないままなんとなく買っているケースも散見されます😅少なくとも違いや特徴を理解した上で、なんとなくでも方針を持っておかないと次の投資判断基準が作れません。
ここからは、ETFの特徴に合わせた投資方法の一例と投資タイミングを紹介します。投資に正解はなく絶対的な方法ではありませんので参考程度に。
①VYM単独のタイミング投資
✅400社に分散されており比較的リスクは低め
(そもそもハイリスクな中での比較的低め)
✅株価も安定成長するため負けにくい
✅暴落後の株価回復も早め(値動きはS&P500やVTIとも類似)
✅配当利回りは低いため株価下落時にタイミング投資
シンプルに最も分散が効いていて増配力のあるVYM1本でいくパターン。配当利回りは低めのため一時的な株価下落局面でタイミング投資していく。コロナショッククラスの暴落時に一括で仕込めれば、後の株価回復も含めて有力な選択肢となる。
②VYM単独の長期積み立て投資
✅右肩がりの株価を頼りにドルコスト平均法で積み立て
✅手間はかからないが資金効率は悪い
✅増配率の高さ(5年平均では7%の増配率)で補う長期投資
投資タイミングを見極めるのが大変だという方向けの投資方法。長期で株価が右肩上がりの特徴を活かしてVYMの積み立て投資も一考の余地あり。資金効率は悪いが手間はかからずに安定したキャッシュフローが狙える。
③HDV+SPYDの組み合わせ(1:1の割合)
✅HDV・SPYD単独の構成銘柄は少なくセクターの偏りも大きい
✅2つのETFを合わせるとバランスが良くなる
✅主要セクターが異なるため分散性が上がる(リスク低減)
✅VYMよりも高い配当利回りのため投資元本は少なめでOK
✅VYM単独よりはハイリスク(株価上昇がやや弱い、SPYDの減配リスク)
✅安定増配ではVYMに劣るためしっかりタイミングを見て投資
複数の組み合わせではHDV+SPYDがおすすめ。それぞれの特徴を活かしながら弱点を補い合うことができます。分散性を向上しつつ配当利回りはVYMを上回ります。株価上昇は弱めのため下落時のタイミング投資が推奨です。
金額ベースで1:1の比率で合わせるのがわかりやすく安定感がありますが、攻めに寄せたければSPYD、守りを重視するならHDVの比率を上げていくといった好みでアレンジを。
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何も考えずに3種類に投資する人も多いですが、個人的にはおすすめしません。分散したいならVYMで十分だし、配当利回りを高めたいならHDV+SPYDで十分。3種混ぜることで特徴を打ち消しあって中途半端なポートフォリオが出来上がります。管理も面倒でバランスがとりにくいため、VYM単独もしくはHDV+SPYDのどちらかがおすすめです。
どのETFも株価下落時のタイミング投資が基本ではありますが、VYMは定期積み立ても選択肢に入ります(推奨とまでは言わないレベル)。長期に右肩上がりの株価のため、いわゆるインデックス投資に近いドルコスト平均法での積み立てが可能です。もちろんS&P500と比べて株価の上昇率は控えめなので投資効率は悪いですが、手間なくキャッシュフローが得られます。増配率が安定して高水準のため、長期投資で着実に配当利回りは向上していきます。
米国高配当株ETFの注意点
みんな大好き米国高配当株ETFですが、注意点もあります。ここまできちんと理解して投資することを推奨します。
① 為替リスク
米国ETFはドルで取引し、配当金もドルで受け取ります。
つまり
1️⃣円をドルに変える
2️⃣ドルでETFを買う
3️⃣ドルで配当金を受け取る
4️⃣ドルを円に変えて使う
この工程が必要です。配当金を使うまでには少なくとも2回は円↔︎ドルの変換が必要になり、このタイミングで為替の影響を受けます。換金時の為替手数料と合わせて常に「為替リスク」に晒されることとなります。
1ドル140円→1ドル150円(円安)
1ドル140円→1ドル130円(円高)
この為替変動によっては株価の上昇分を相殺したり、大幅な資産減少を招くリスクもあります(逆にすごく得することもある)。また、米国ETFの分配金はドルで支払われるため、日本で使うには円に換金する必要があり、この時にも為替の影響を受けます。
1ドル140円の時に1ドルの配当金を得たとします。今すぐ円にすれば140円ですが、1ヶ月後の為替レートはどうなっているかわかりません。円安が進んで1ドル150円になれば10円の得、円高に進んで1ドル130円になれば10円の損です。
これを1000ドルの配当金で考えると±1万円の差が生まれます。金額が大きいほど為替のインパクトは大きくなり心理的負担も増えます。
💰もっと円安になってから円にしよう(すけべ心)
💰円高になっちゃった!戻るまで待とうかな?
💰もっと損したら嫌だから早く円に変えなきゃ!
これは株価でいうところの利確・損切りの判断に近く、最も難しいことです。投資タイミングを測るときも、この為替リスクを考慮する必要があります。
・為替リスクとの向き合い方
予想不可能な為替リスクを機械的に排除する方法としては
1️⃣定額・定期で円→ドルに変換する(ドルコスト平均法)
2️⃣配当金は即時円転する(もらえるだけでプラスだと納得)
損得は考えずにできるだけ平均的な為替レートで投資用のドルを用意します。インデックス投資にも活用するドルコスト平均法の応用です。
配当金に関しては使ってなんぼ。少しでも増やしたいというすけべ心や損したくないという不安に打ち勝つには、即時円転のマイルールを設けるのが効果的です。そもそも配当金はプラスでしかないのだから、すぐに使えるように円で持つのが最適と考えます。
② 税金(外国税)
日本では株式の売却益や配当金には約20%の税金がかかります。そして米国株の場合はさらに10%の外国税がかけられて二重課税となります。せっかくの高配当株ETFなのに毎回30%も税金が取られることは覚悟します。
新NISAの成長投資枠でも米国高配当株ETFに投資できますが、外国税10%は非課税になりません。NISA枠の場合は外国税額控除も適応外のため非課税恩恵は限定的になってしまいます。
メリット・デメリットを理解して投資を
いかに優秀な米国高配当株ETFといえど、何もわからずに投資していてはその恩恵を最大限に受けることはできません。メリットを理解して自分に合った銘柄の組み合わせや投資比率を考え、タイミングをみる。デメリットも理解してリスク許容度の範囲内で投資する。
配当金は魅力的なワードですが、そもそも資産形成においては非効率的な投資方法です。配当金は使ってこそ真価を発揮するため、増やすのではなく使う力につながっています。
資産形成初期の段階では、
①家計の管理(貯める力)
②インデックス投資(増やす力)
これが最優先です。その先に余剰金で始める高配当株投資があります。今を豊かにする配当金(使う力)を得る前に、未来を盤石にする家計の管理と堅実な資産形成を進めましょう。
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