仕事を辞めたり
新しい場所へ向かうたびに
昔よく一緒にいた人に
会いに行っていた
今の自分のことを話して
これからのことを語って
そうすれば
少し前に進める気がしていた
懐かしい顔に会うと
安心もしたし
あの頃の自分に
戻れる気もした
でも
何度話しても
景色は
なかなか変わらなかった
本当に変わり始めたのは
過去を振り返るより
まだ知らない方へ
歩き始めてからだった
新しい場所で
新しい人に出会って
話をして
笑って
時には助けてもらって
そのひとつひとつが
少しずつ
自分の中に積もっていった
気づけば
昔思い描いていたより
ずっと遠くまで
来ていた
だから今は
誰かからもらった言葉も
優しさも
時間も
そのまま返すのではなく
自分の中で
少しだけ育てて
また別の誰かに
渡していけたらと思う
人とのつながりは
まっすぐ続くものじゃなくて
円を描くみたいに
巡っていくのかもしれない
昔もらったものが
今の自分をつくって
今の自分が
また誰かの時間に
少しだけ残っていく
そうやって
人から人へ
静かに
温度が渡っていく















































































































































































































